インクとコーティング技術を中心に刻んできた長い歴史。社会の成長と変化に合わせながら技術を進化させ、新たなニーズに応えてきました。私たちが今日までどのように技術を磨いてきたのか、その挑戦と革新の歩みをご覧ください。
事業の始まりは、和紙を用いたカーボン紙の製造だった。当初はすべて手作業で行われていたが、日本経済の成長とともに需要が拡大する未来を見据え、ドイツから洋紙塗工機を導入し、製造工程の改善に着手する。創業者・芦田重之助の「他社の技術を模倣するのではなく、独自の研究開発に挑む姿勢」を受け継いだ息子たちは、洋紙のカーボン紙の実現に成功する。そして、生産性と品質を飛躍的に向上させた製品は当社のオリジナルブランド「ゼネラルカーボン紙」として社会と業界に広く知られることとなった。
新工場を次々と竣工し、「ゼネラルカーボン紙」の生産量は順調に増加。その業績に甘んじることなく、海外企業との技術提携や独自開発を基盤に技術力を磨いた。やがてカーボン紙の塗工技術はコンピューター用インクリボンへと進化。連続伝票用紙をはじめ、英文・和文タイプライター、加算機、OCRなど各種インクリボンの開発・販売の開拓につながった。こうしてゼネラルは、カーボン紙メーカーという枠を超え、事務機器分野をリードする多角経営企業へと進化を遂げる。
各企業にコンピューターが導入され、事務作業の電子化が加速する時代に「感熱転写カーボン&リボン」を開発。ワープロやファックス用リボンとして市場に供給するとともに、POSや感熱騰写原紙の研究開発へと発展させた。さらに、オフィス機器を販売する大手メーカーとの共同研究により、熱で文字部分に穴を開ける「サーマルデジタルマスター方式」を世界で初めて実用化する。この頃からニューヨークや韓国にも拠点を設立し、グローバル企業としての地位を確立した。
インクジェット方式の小型プリンターが家庭に普及し始めたことをきっかけに、インクジェットインクの研究開発に着手。いち早くユーザーの経済的負担の軽減と、環境への配慮の必要性に着目し、純正品と同等の高精度な発色と安定性を実現したリフィールインクを開発する。安価で利便性が高いことからトップシェアを獲得したが、海外からの流入を含む新規の市場参入者が増え、収益性が低下してきたことから、産業用途の開発へターゲット市場をシフト。印刷用紙(受像紙)の開発に取り組み、耐水性や新製品を次々と世に送りだすことで業績を伸ばし続けた。
2000年頃から HP Inc. への提案活動を通じて信頼関係を築き、同社の産業用インクジェットインクの日本国内代理店として活動を開始した。2006年には樹脂コート基材への印刷をターゲットとしたインク『IQ2392A』を自社開発。従来の水性インクでは対応できなかった基材への高速かつ高品位な印刷を可能とした当製品は瞬く間に好評を博し、ダイレクトメールを中心とした宛名印刷市場の中で存在感を示した。その後、乾燥機を用いずともフィルムや金属などの非多孔基材に対する印刷を可能とする速乾性溶剤インクを開発。代理店活動で信頼を得ていたことと並行してインク開発力が高く評価され、2013年にはHP Inc.製カートリッジへのインク充填ライセンスを取得。今日に至るまで、多角的アプローチで産業用インクジェット市場拡大に貢献している。
塵や埃を排除したクリーン環境下でコーティングができるクリーンコーターを導入。これまで培った技術を応用し、精密電子部品への特殊なコーティングにも対応ができるようになった。また、インクやコーティングの枠を超えて、RFIDを活用したソリューションの開発・提案にも挑戦し、製造現場などのDX化(デジタルトランスフォーメーション)を支援。その他にも実用化に向けた検証が進められており、時代のニーズに応える企業としてさらなる進化を続けている。
どんな状況にあっても、自分たちの技術力を信じ、100年を超える挑戦を続けてきました。これからも時代の変化や社会のニーズをいち早く捉え、新たな価値を創造しながら成長を続けていきます。